SEKINO Atsushi ~ 銅版画・ドローイング・立体物 ~
垂直をたしかめて、試みる
「学生時代のころ、Sくんは、僕に『俺はキャンバスを横長にして描くことが多いけれど、君は縦に描くことが多いみたいだな。』と指摘してきた。筆の運びも彼は横方向で、僕は縦方向つまり垂直に走らせることが多いなどと話題にしたことがある。
僕の子供のころの原風景は、とうとうと流れる木曽川なのだと思うけれど、それは水平に横長に僕の視野を右から左へ勢いよく流れていた。しかし川の流れの中にどっぷり首までつかったときは、川上に向かって身を置いて垂直に向かってくる水の流れを全身で受け止めていた。そのとき木曽川は縦長だった。
垂直方向をことさら強調してしまうのは、そのようなことも関係があるのではないかとふと思った。(関野)」
「Table 2」 45x15cm ed.12
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